東京社会福祉士会三鷹武蔵野立ち直り支部
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保護中: 【立ち直り支部】1月26日、休日カフェ「Meets」を開催します。
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【立ち直り支部】ケアリンピック武蔵野2024で演題発表します
広げようまちぐるみの支え合いをテーマに11月30日、「ケアリンピック武蔵野2024」が武蔵境駅前のスイングホ…
休眠預金を活用した事業です
立ち直りを支える地域支援ネットワーク事業は、休眠預金を活用した助成の資金配分団体となっている日本更生保護協会からの助成を受けて、東京社会福祉士会が2023年度から2025年度までの3ヵ年実施している事業です。希望する「地区社会福祉士会」が活動主体となり、東京社会福祉士会から伴走型サポートを受けながら活動しています。東京社会福祉士会では、誰一人取り残さない地域づくりの「はじめの一歩」として取り組みを促しています。三鷹武蔵野社会福祉士会では、有志が「東京社会福祉士会立ち直りを支える地域ネットワークづくり事業部三鷹武蔵野立ち直り支部」として取り組んでいます。
地域づくりが求められる理由①
再犯の防止が社会的な課題になっています
近年、犯罪件数は減少傾向にあり、非行、犯罪を犯した人の中にしめる再犯の人の数が増える傾向にあり、約半数が再犯者という状況が続いています。社会から孤立してしまっていることにより、再び犯罪に走らざるを得ない状況があると考えられています。このため、国では2016年12月に再犯防止推進法を制定しました。再犯の防止等に関する施策に関し,基本理念を定め,国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、再犯の防止等に関する施策の基本となる事項を定めることにより、再犯の防止等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、これにより国民が犯罪による被害を受けることを防止し,安全で安心して暮らせる社会の実現に寄与することを目的とするものです。同法に基づき、各自治体も再犯防止推進計画を策定しています。
2023年度からの第二次再犯防止推進計画には、7つの重点課題と96の具体策が盛り込まれました。重点課題は、①就労・住居の確保②保健医療・福祉サービスの利用の促進③学校等と連携した就学支援の実施④犯罪を犯した者等の特性に応じた効果的な指導の実施⑤民間協力者の活動の推進⑥地域による包括の推進⑦再犯防止に向けた基盤の整備、です。
武蔵野市再犯防止推進推進計画のデータだよ。令和3年度の再犯率は57%だけど検挙されている人の数が減っているから、すごく再犯が増えていると言うことではないと言えるね。
地域づくりが求められる理由②
福祉と司法が近づいてきました
福祉と司法、ましてや犯罪。一見関係ないようにみえますが、いえいえ、その関係性はどんどん近づいています。背景の1つが、刑務所入所者の高齢化。刑務所そのものが介護施設と化しているという指摘もあります。また、本来は福祉が手を差し伸べるべき知的障害のある人が軽微な犯罪で入退所を繰り返すという指摘もあります。刑務所を退所するにあたり、福祉的な支援が必要な人のために2009年度から国の「地域生活定着促進事業」がスタート。各都道府県の設置する地域生活定着支援センターが、保護観察所、矯正施設、留置施設、検察庁及び弁護士会といった刑事司法関係機関、地域の福祉関係機関等と連携・協働しつつ、刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束中から釈放後まで一貫した相談支援を実施することにより、その社会復帰及び地域生活への定着を支援しています(出口支援)。
2018年度からは、「犯罪者」になる一歩手前だった人(起訴猶予者、全部執行猶予者、罰金等を言い渡された人等)のうち、高齢や障害で福祉サービス等を必要とする人のため保護観察所に特別支援ユニットの配置が開始されました。刑事司法手続きの入り口にいる人を対象とすることから「入り口支援」と呼ばれます。地域生活定着支援センターをはじめ。地域の関係機関との連携を深めることが目指されています。2021年度からは、地域定着促進支援センターでも入り口支援を行うようになっています。
福祉施設・介護施設化している刑務所の実態を告発した山本譲司さんの「獄窓記」(2003年)は有名だよね。
地域づくりが求められる理由③
立ち直りを支えてきた「保護司」、基本はボランティア
我が国の更生保護の源流は、明治21年に静岡県の金原明前ら慈善篤志家の有志がつくった静岡県出獄人保護会社とされます。そもそも民間活動にルーツをもち、第二次世界大戦後の刑事司法大改革の中でも、その精神が「保護司」という制度に引き継がれています。保護司は、保護観察所と協同して、保護観察に当たる人で、法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員ですが、無給のボランティアです。保護観察期間中、月に2〜3回面談し、スムーズに社会生活に復帰できるように、住居や就業先などの帰住環境の調整や相談を行うとされています。
世界的にも注目される仕組みですが、近年、高齢化が進み、担い手不足は深刻になっています。 令和5年1月現在、定員5万2500人に対し、実数は4万6956人。60代以上が8割で、70歳以上が38%を閉める状況です。年齢制限を緩和し、78歳まで再任可能になりましたが、第二次再犯防止推進計画には、持続可能な保護司制度の確立に向けた検討が盛り込まれ、法務省が「持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会」を設置。令和6年10月に結論がでたところです。
報酬を支払うかどうかが最大の争点でしたが、保護司業務にはなじまないとして見送られました。保護司の人脈に頼らすに候補者を募集することや、新任委嘱時の上限年齢を66歳以下としていたのを撤廃し、間口を広げながら社会貢献の精神に基づく、ボランティア体制を維持することとなりました。
更生保護のシンボルマークは、ペンギンのホゴちゃんとサラちゃんだよ。
民生児童委員のシンボルマークもペンギン。ミンジーだよ。
三鷹武蔵野立ち直り支部の取り組み
三鷹武蔵野社会福祉士会有志でつくる東京社会福祉士会三鷹武蔵野立ち直り支部の取り組みは、①立ち直り事業の必要性の周知②地域の保護司、福祉医療関係者等との顔の見える関係づくり③休日の居場所づくりの3点です。11月30日に行われたケアリンピック武蔵野2024の演題発表も広報の一環です。三鷹武蔵野社会福祉士会と共同で、地域の保護司を講師に勉強会も開催・手探りで連携ができるよう努力しているところです。
休日の居場所づくりは、長く地域活動を行ってきたメンバーの強い思いからの提案です。制度も拡充され、ウィークデイは出かける場所が増えていますが、休日はお休みで一人ぼっちで、ネットしか友達がいない。そうならないように、一緒にご飯を食べられ、気軽に立ち寄ってもらえ、出会いのある居場所が、たくさん増えていったら素敵ですよね・
すでに試行を始めていますが、会場探しが難航しています。
ボランティアには限界もありますが、ボランティアだからできることがあります。私たちは、自分ったいのできる小さな一歩から誰一人取り残さない地域づくりに取り組んでいきたいと思っています。
(本ページは2024年11月30日ケアリンピック武蔵野2024での演題発表をもとに構成しています。)